お盆休みとぶどう

立秋を過ぎても相変わらず残暑は厳しいですが、みなさんお元気にお過ごしですか。
自然界では着々と秋の準備が進められていて移りゆく風景の瞬間が愛おしいと感じる日々です。
栗の木を近所でよく見かけますが、いつの間にか緑のゲジゲジが堂々と姿を現していました。
毎日「暑いなあ。暑いなあ。」と、私たち人間が言っている間も自然界の植物や動物たちは淡々と前を向いて歩いていて次の季節の準備を整えているのです。

今日はお盆休みの初日。あきちゃんを連れて大牟田の祖母の家に行ってきました。先週92歳になった祖母は曾孫との時間をいつも楽しみにしてくれています。自宅用で作っている巨峰が食べ頃で今日は大きな段ボール2箱分も持ち帰って来ました。叔父と祖母の合作の巨峰。物心ついた頃から私はこの巨峰と毎夏を過ごしてきました。祖父がまだ生きていた頃は市場にも出すほどの量を作っていたので私たち親戚一同が揃って葡萄の収穫を手伝っていました。納屋に皆で集って箱詰め作業をしていた頃がとても懐かしく思い出されます。だから葡萄は私たち家族にとって特別な思い出が詰まっている果物なのです。
現在は祖母と叔父とで栽培できる量に縮小して自宅の裏にだけ作っています。今年も無事に収穫出来たことを一番喜んでいるのは祖母と亡くなった祖父なのだろうと思います。
家族のかたちは変わっても共に時を紡いだという記憶はそれぞれの心に刻み込まれているはずです。祖母が年をとってきたのでいつまでこの葡萄栽培を続けていかれるかわかりませんが、彼女の思いを大切にしていきたいと思ったお盆休みとなりました。

最後のチャンス

今月から新たに入会された生徒さんがいらっしゃいます。70歳になる女性、N さんです。
とても熱心に学ばれていてこちらも初心に帰ることができありがたいご縁をいただけました。勇気を出してAutumn のドアを叩いて下さったこと、本当に感謝しています。

7月のある日のこと、いつものようにレッスンをしていたら突然訪ねて来られた方がありました。
「近くに住んでいて前を通りかかったら看板が目に留まりました。私のような年の者でも学ぶことはできますか。」
日を改めて体験レッスンに来られた時にこの方の英語を学びたいという思いについて詳しく聞かせてもらえました。
若い時からずっと英語を学びたいという思いを持ち続けていて退職後の今、ようやくその時間が出来たと。だからこの方にとっては人生最後のチャンスなんだそうです。
少し大げさな表現かもしれませんが、この方は生きる為の精神的な糧として英語の学習を選ばれたのだと強く感じました。
学びというものは主体的・自主的に成されてこそ体の奥底から湧きあがってくるような喜び、そしてそれに伴う苦しみをも同時に身体に刻み込ませることができるのだと思います。地道に継続してこそ楽しい語学の学習は、この喜びと苦しみを知っている者は自分を信じて続けていかれるはずです。
楽しいことだけではない。苦しいことだってあるんだよ。でも、続けてみたその先にはあなたにしかわからない発見が待っているはずです。
さあ、みなさん、明日からまた頑張っていきましょう!準備は良いですか。

自宅で美術館

昨年この家に引っ越してきた時から玄関に網戸を取り付けてもらえたらと思っていた。ここが網戸になったらきっと家じゅう風が通るようになって心地よいだろうなあ。
そう思って最終的に良い方が見つかった。生徒さんから紹介してもらった大工さんだ。大和町から来て下さった。
木枠を取り付けてもらった後に我が家の玄関ドアに合わせたものが完成。
昼間家に居る時はドアを全開にして網戸からの風を楽しんでいる。しかも、風だけでなく目の前の八天山も眺められるのだ。
英語で網戸のことをA Screen Door という。こう聞くと網戸の外側の景色が自ずとイメージされる。我が家の網戸はこの英訳の方が日本語で網戸というよりもしっくりくる。約1メートル×2メートルの木枠の向こう側に山の一部がすっぽりと収まっている状態。山陰にある足立美術館のようだ(笑)。
ここに座って珈琲でも飲んでみようか。
早速あきちゃんも玄関に座って山の風景をスケッチブックに描いていた。これからお山の絵も増えていきそうだ。

手を放して

こんばんは。
外は嵐です。今日は台風の為レッスンをお休みにしてあきちゃんと一日じゅう家の中で過ごしました。
お絵描き、ブロック、折り紙、替え歌しりとりなどをしてあっという間に一日が過ぎました。私だけが昼寝をして(最近はいつもこうなります。)あきちゃんは眠らずに画用紙にずっと何か描いていたようです。昼寝をせずに休むことなく動き続けていたので夜はすぐに寝てしまいました。彼女は常に五感をフル稼働しながら120パーセントの力で大地を踏みしめて生きています。

7月1日の日曜日のこと。この日は朝から快晴で蝉が鳴き始めたとても暑い一日でした。
なんとあきちゃんがこの日から補助輪なしの自転車にほぼ一人で乗れるようになったのです。
練習を始めたきっかけは、お隣さんA さんの提案でした。我が家に遊びに来られた時に子ども用の自転車がA さんの目に留ったのです。
「あきちゃん、自転車は乗れるね?」
「......」黙って首を振るだけ。
「よし、じゃあ、明日から練習しよう!」
そう言われてA さんは次の日の夕方からコーチをしてくださったのです。
お互い夕方に用事がない時は少しでもあきちゃんの練習に付き合うことにしました。
蒸し暑い夕暮れ時で蚊がたくさん飛んでいました。それでもめげずにA さんはあきちゃんを励まし続けてくれました。
練習期間は1週間程でしたが、1日の日曜日から直線の30メートル位は一人で乗れるようになったのです。
最初はペダルに足を乗せることも怖がっていたのにみるみるうちに自信がついて最後は私に手を放すようにと頼むほどになりました。
「あきこさん、本日の最終試験合格です。また、来週次の段階にいけるようにがんばろうな。」
A さんの指導はこちらも傍で見ていて勉強になりました。少しでも前進できるように学習者の進み具合を見ながら寄り添っていく。そして、次の段階へと行けると判断した時はひとつ上の課題を与える。そんな具合に彼女の歩みに合わせて一歩ずつ階段を上ってくださったように見えました。
雨が上がったら、あきちゃんの体が覚えているうちに少しでも自転車に乗れる時間を見つけていきたいと思います。
A さん、いつもありがとう。

季節の花たち

アガパンサス、エキナセア、ミントいろいろ、それからベルガモット。先週は藤色系の色でまとめた季節の花たちを家の中に飾って楽しんだ。薄紫のベルガモットを見たのは初めて。忙しい合間に花たちを見ると気持ちが潤ってくる。
忙しくしている時こそ植物の存在は欠かせないと思う日々である。

あきちゃんが年長さんになって保育園の行事が増えレッスンと保育園の出事をどうにかやりくりしながら暮らしている。そんな時に限って車の調子が悪くなり車屋さんとのやりとりが増えた6月だった。
人生は物語だ。
そう思ってずっと生きてきた。自分で人生という物語を作ってその中に生きる。
でも、長らく自分の中にあったその考えが少しずつ変わってきているようだ。
人生はゲームだ。
むしろ最近はこう思った方がしっくりくるのだ。与えられた日常、そしてその中で出会う人々。自分で選ぶというよりも既に誰かが準備しているシナリオがあってそれを立ち止まることなく読み進めていくといった具合だ。自分で紡ぎ出す物語は取捨選択ができるが、誰かが準備したシナリオのゲームはルールが決まっているし全てを受け入れることが当たり前の世界。ゴールに向かって突き進むしかない。
こんなふうに思うようになったのは、日々、時間の速度を速めて動かなければいけなくなったことが大きいのだろうし、あきちゃんとふたりでこの家に暮らすようになって思いがけない来客が増え自分の思いどおりの時間では動けなくなったことが大きいのだろう。ゆっくりと丁寧に自分の計画を進めていくといった具合にはできないけれども、色々な人たちと様々な場面で混じり合って暮らしている今の自分の暮らしもなかなか気に入っている。

先月からAutumn の教室に収穫したラベンダーを干している。今年も元気に咲いてくれた。毎年恒例になったラベンダーの匂い袋作り。生徒さんと友達にあげようと、できる個数分作っているところだ。
自分の暮らしの中で変わったことと変わらないこと。そのどちらも愛おしい。
ラベンダーの時間は、ゲーム盤では1回休みとなっているマスかな。

孫の顔と娘の顔

あきちゃん、5歳。小さいながらも神埼の家で過ごす時と鳥栖のばーばの家で過ごす時の顔が違います。
ばーばの家に行く火曜日と金曜日の夜はばーばに甘えて「遊ぼう」コールが鳴りっぱなし。食事をすることよりも遊ぶことの方が大事で少しだけしか夕飯を食べません。私が家庭教師をして帰ってくるまでお絵描き、折り紙、そしてテレビの歌番組を見ながら歌手になりきったりしているようです。一方、神埼の自宅で過ごす時はママの助手として沢山のお手伝いをやってあげなければ!という彼女なりの強い意志が感じられます。今日は保育園から帰ってすぐに玄関横の花壇を整えました。20センチほど伸びたヒマワリの苗を地植えしてそのあとにユリの鉢を地植えする土の準備をしたところです。二人で一緒に土をほぐして水をたっぷりと与えました。おかげで玄関前の小さな花園がだいぶ賑やかになってきました。
そして庭仕事の後は夕飯の支度の手伝いです。もちろん全部というわけにはいきませんし、私の方も全部一緒に作っていたら時間がかかり過ぎてしまうので、メインのおかずのハイライト部分を彼女に手伝ってもらうことが多いのです。今晩の献立は、トマトとアスパラのサラダ、じゃがいものポタージュスープ、メインは一口サイズの豚カツでした。豚肉を衣をつける前の段階まで準備をしておき、その後はあきちゃんが帰ってから一緒に作りました。台所に入ってくる前にエプロンと三角巾をしっかりと身に着けており今夜は気合の入り方がいつも以上でした。彼女がパン粉を付ける係を担当。
「豚肉さんにふかふかのベットを作ってあげてね。」
「はーい。できましたよ~。パタパタトントンしますね~。」
こんなやりとりをしながら小さなお手伝いさんと初めてこの家で豚カツを作りました。ちょっとおめでたい気持ちになりました。
この小さな助手は味見が大好きなようです。好物のじゃがいものポタージュをたっぷりと小皿に注いで味見を楽しんでいました。
今夜は夕飯の前にたくさん働いたせいかお風呂を済ませてから私の知らぬ間に押入れの中で寝入っていました。
お手伝いありがとう!
助手の顔、娘の顔、そして孫の顔。様々な顔を持つあきちゃんですが、どこに居ても全身のアンテナをピーンと張って相手のことをしっかりと観察しています。彼女の持つエネルギーのおかげで私は生かされているなあとしみじみと思う日々です。

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