春の美しいものたち

台所にぺんぺん草を飾っています。夕方、摘んだものです。お花屋さんで買う綺麗なお花も良いけど、たまに季節の草花が恋しくなります。その辺に生えている雑草が良いのです。ありのままの姿で懸命に咲いている様子がとてもひたむきに映るのです。その上、道端で見つけた草花を摘んで持ち帰ると、その植物たちの生えていた場所の風景も一緒に摘み取ることができると思います。記憶の断片の中に草花とその瞬間の光景が一気に凝縮されるのです。

娘と一緒にかけっこをしながらの保育園の帰り道、道路脇の植木の側で見つけたぺんぺん草。ハートの形に似た葉を風に揺らしながら生き生きと立っていた姿。春の眩しい日差しの下、とても逞しく見えました。綺麗というよりも、“美しい”というべきなのでしょう。昔から変わらずに存在していて大地に根ざしたもののことを人は“美しい”と表現したくなるのかもしれません。

季節の植物たちのあらゆる香りが入り混じった複雑でどこか甘い香りと共に私の春の記憶が膨らみ始めたところです。

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