おすすめの絵本

『ゼラルダと人喰い鬼』トミー・ウンゲラー 作 たむらりゅういち・あそうくみ 訳
(評論社・1977年)

最近、親子ともに気に入って読んでいる絵本です。
大人が読むと話の展開の意外性に驚かされます。幸せに暮らしましたとさ!というタイプのハッピーエンディングになっていますが、それが一味違うんです。
あらすじを申しますと、昔むかし、あるところに人間の子どもを食べて生きている人喰い鬼がいました。絵を見るとそれはそれはとても恐ろしい風貌をしています。人喰い鬼のせいで町からは子どもたちがいなくなってしまい、彼のお腹を満たす食べ物がなくなってしまったのです。
そんななか、町から遠く離れたところにひとりのお百姓さんがひとり娘と暮らしていました。名前はゼラルダと言います。その親子は人喰い鬼の存在を全く知らずに平和に暮らしていました。
ゼラルダはお料理が大好きな女の子でした。
ある日のこと、ゼラルダはお父さんの体調が悪くなり一人で作物を売りに町まで行くことになりました。町へ行く途中にお腹を空かせた人喰い鬼と出くわしてしまい...

ゼラルダの作るお料理がどれも美味しそうなこととそれを喜んで食べる人喰い鬼。彼女の作るお料理はどれも手が込んでいてそれぞれの料理名が愉快なのです。
『季刊 子どもと本 第五号』(子ども文庫の会)の書評によると、日本版はスイス版(1970年)から作られているそうです。最初に出版されたアメリカ版(1967年)はとっても素敵だということです。落ち着いた感じのページと明るい色彩のページが交互に繰り返されて視覚的にリズムがあるとのことなのです。アメリカ版も見てみたいものですね。

我が子は、これを最初に読んで聞かせたとき人喰い鬼が出てきて怖かったのでしょう。最後まで私の腕をしっかりとつかんで離しませんでした。けれども楽しいお料理が次々に出てくるし、自分自身もゼラルダと一緒にお料理しているような気持ちになっていたのかもしれません。後半では笑いながらお料理の名前を何度も真似て繰り返していました。

トミー・ウンゲラーの作品はもともと絵本好きの友人に紹介してもらいました。『へびのクリクター』(文化出版局)もとても明るくナンセンスを楽しめる絵本としておすすめです。

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