子どもの視点

おはようございます。

子どもの視点に合わせてものごとを見直してみると、日常の小さなことから大きな気付きがあり心が緩むのです。その時の心持は、ふわふわの毛布に子猫をくるんで抱いているかのような温かな気持ちになれます。

先日家庭教師先のお宅に向かっていた時のことです。
マンションの12階に生徒さんのお宅はあります。いつものように1階のロビーからエレベーターが来るのを待っていたら、幼稚園生二人とそのお父さまが三人で入口から入って来られました。その子どもたちに「こんにちは。」とこちらが挨拶すると、にこりとしながらはっきりと「こんにちは。」と返してくれました。
エレベーターに乗って私が「12階をおねがいします。」と頼むと、そのお姉ちゃんの方がボタンの前に立って慣れた手つきで12階のボタンを押してくれました。一緒にエレベーターを待っていたのは、私だけだったのですぐに扉を閉めて上に上がるのかと思っていたところそうではなく...。私にとってその瞬間その女の子の行動がとても意外で、同時に自分自身の至らなさに恥ずかしくなりました。“開”ボタンを押しながら「他に誰か来るかなあ。」とロビーの入口を一通りゆっくりと確認してから扉を閉めたのでした。一緒に居たお父さまもその子のペースに合わせてゆっくりと待っておられました。
「早く生徒さんのお家に向かおう!」としか頭になかった私でしたが、その女の子が私の慌てる気持ちをすっとなだめてくれて一瞬にして穏やかな気持ちにさせてもらったのです。他に乗ってくる人がいないか確認をする。これは周りの人に対する配慮です。そのことを思いもつかなかった自分は先のことばかりしかみていない思いやりに欠けた大人でした。
その女の子たちは5階で降りて「さようなら。」とにこりと笑って手を振ってくれました。その親子が降りた後もエレベーターの中には和やかな空気がじんわりと残っていました。エレベーターで上に上がりながら自分の中にある秒針がこれまでよりもゆっくりと時を刻み始めたように感じました。
子どもたちはやはり“今”を大切に生きているのですね。せわしなく日常を生きているとつい忘れてしまいがちなことですが、改めてその大切さをかみしめています。

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