心地よい挨拶

近所の郵便局に行く時は必ず歩くようにしている。
お昼どき。空が高くなり、日傘がないとお日様と対等に笑えない。
いつもの裏通りではなく今日は表通りを選んで歩いてみた。
バスの発着所、美容室、イタリア料理店、団地
それぞれが それぞれの持ち場で 日常を生きている。
ひたむきに。

かえりみち 懇意にしている八百屋の前を通った。歩きながら奥をのぞいたら主人が座っていた。
「こんにちは。」とこちらが挨拶をすると、店主の方も同じように「こんにちは。」を返してくれた。
その時の声がとても心地よく耳に響き余韻に浸りながら再び表通りを歩いた。
ひと言ずつの挨拶でこんなに満たされた気持ちになれるのならば もうこれ以上のことばは必要ないのではないか。

毎晩 寝る前に娘が私にたずねてくる。
「きょうは いちばん なにが たのしかった?」

「あのね 八百屋のおじさんが こんにちは って言ってくれたことかな。」

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