星空を眺めながら

さて、今夜は星でも見てみるか。
そんな気持ちになった。

理由は、あきちゃんが居なくて手持ちぶさたな夜を過ごしているからだ。
あきちゃんはというと、今夜は保育園に泊まっている。かまきり組(年中組さん)の合宿なのだ。あきちゃんがママと離れて夜を過ごすのは生まれて初めてのこと。

私は、星空を眺めながら思った。
母親になる前、晴れている時はたいてい夜空を眺めていたものだったと。
そんなこともいつの間にかすっかり忘れていた。
少し前までの自分のことも感覚的に忘れ去っていた。
母になる前のあの頃、自分は何を思いながら星を眺めていたのだろうかと考えてみるがさっぱり思い出せない。

けれども今晩 久しぶりに遠くに光る星たちを眺めていたら
少し前の消え去ってしまったはずの時空の広がりが記憶の断片と重なり始めたのがわかった。

つい 最近のことである。
あきちゃんが私の膝の上に座って私の目を覗き込むようにしながら言った。
「ママの目にあっこちゃんがうつっているよ。じゃあ、あっこちゃんの目にはだれがうつっているでしょう。」
私は答えた。
「ママ。」

「ぴんぽーん、せいかい。」
そう言って二人でにっこりした。
あきちゃんの瞳には大きな星が輝いていた。

 

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