詩:如月

昼下がりのホウレン草

今夜は何を食べようか
調理台の上にホウレン草を見つける
午後二時半

食材の変化を愛でながらゆっくりと台所に立てるのは
うれしい

鍋にたっぷりのお湯を沸かしてホウレン草を茹でる
さっと茹でて冷水に浸す
ほんのひと時だが ホウレン草は冷たく澄んだ水の中で瞑想する
緑は艶やか 深みを増す

私はお湯だけが残った鍋を眺めている
柔らかく湯気が立ち上がり
ホウレン草の息づかいが 微かに残っている

萌黄色

野菜の湯浴みはいつまで眺めていても飽きることはなく
時を忘れる

茹で汁は澄んでいて 萌黄色の小さな浴槽はそのまま残っている

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